9月28日、午後5時
人生で初めて、「自担の結婚」という出来事に出会った。
ぎこちなく跳ねた心臓に気づかぬフリをして、震える手でリロードを繰り返し、ようやく辿り着いたページに綴られていた言葉は、あまりにも「櫻井翔」のもので。
無機質であるはずのフォントにまで温度があるように感じられて。
ああ私はやっぱり、この人の言葉が好きだなあ、と、まとまらない頭の片隅で改めて思ってしまったのだった。
私は、翔くんの顔が好きだ。
一目惚れしてから人生の半分以上追いかけ続けて、今尚「やっぱり顔が良い」と言うくらいには、好きだ。
でも多分それ以上に、翔くんの生き方というか、“日々への姿勢”みたいなものが好きなんだと思う。
翔くんのことが好きだと、幼い私は何度も言った。
それは“恋”ではなかった。
歳が近かったら、恋に近い感情を抱いていたのかもしれない。
でも、多分私は、櫻井翔になりたかった。
“櫻井翔になりたい”という気持ちが、一体何に当てはまるのかは知らない。
ただ、私の中でこれは憧れの最上級であり、“愛”だった。確実に。
大切に言葉を紡ぐように、日々を真摯に生きる姿に惹かれた。
しゃんと通った筋、頑固とは似て非なるそれ。
こんな風に生きられたら、と思った。
こんな風に生きたい、と思った。
櫻井翔になれないことは当然わかっていたけれど、それでも櫻井翔になりたいと真剣に思っていた私は、馬鹿だけどきっと馬鹿じゃない。
憧れの背中は、追えば追うだけ遠ざかっていくけれど。
こんな風に追いかけ続けられているのも、翔くんがよく見える場所で走り続けてくれているからで、これもまた何物にも変え難い幸せなのだと気づけてよかった。
誰かに憧れるということ
誰かを愛するということ
その尊さを教えてくれたのは、翔くんだった。
そしてそれは、直接言葉を交わさなければ成り立たないものではなく、想いがあれば成り立つものであると知ることができたのは、翔くんがアイドルだったから。
アイドルの翔くんに出会えた私は本当にラッキーだ。
改めまして、櫻井翔さん。
ご結婚、本当におめでとうございます。
手紙にするには重すぎる、でもやっぱり言葉にしたかった想いをここに綴ります。
あなたが選んだ世界は、私なんかが思っているよりずっと窮屈なのでしょう。
あなたはきっと何にだってなれた。
もっと自由な世界があったかもしれない。
それでも、この道を選んでくれてありがとう。
片手ならすぐにでも手にすることが出来るものでも、両手でなければ手にすることは出来ないのだとでも言うように。
日々のひとつひとつに真摯に向き合うあなたが、手にしたいと願ったものは全てその両手に収まることをいつだって願っていました。
願っていたというか、そうならなければ可笑しいと思っていました。
願ったものを手にするには、相応の犠牲が必要で。
あなたがその犠牲を十分すぎるほど払ってきていたことは想像に難くない。
あなたが願うならば、いつの日かきっと来てほしいと願っていた日がついに来てくれました。
私は心の底から嬉しいです。幸せです。
正直、ここまで幸せな気持ちになれるとは思っていなかったな、というくらい、幸せです。
今まで、数え切れないほどの幸せをあなたからもらってきました。
信じられますか?
あなたが見てくれた“気がする”だけで生きていく力が湧いてくる人間がいることを。
5×20の時、私は初めてうちわを作りました。
悩みに悩んで、結局、ありきたりな言葉に全てを込めて。
席はスタンドだったから文字なんて見えなかったかもしれない。
でも、近づいてきたあなたの方に向けたうちわは多分、その役目を果たしてくれたんじゃないかなぁと思うんです。
そんな風に思えるのは、あなたがいつも会場の隅々まで見てくれているから。
見えていなくてもいいんです。
“翔くんなら見てくれた可能性がある”と思えるだけで、頑張れてしまうのです。
あなたなりの、あなただけの“ファンサ”が私はとても好きです。
これをもらえるのは櫻井翔のファンだけ。
寂しくなんかないよ、見てくれていることを知っているから。
内野にいられるという事実だけで、幸せが両手から溢れてしまいそう。
だから、あなたにも、幸せでいてほしいのです。
両手から溢れ出してしまいそうな程の幸せを、あなたが選んだ幸せを、手にするための犠牲はもうとっくに払っているはず。
ただ、幸せでいてほしい。あなたがくれた以上の幸せが、あなたに降り注ぐことを祈っています。
あなたが大切にしたいと思える人に出会えたこと。
その人もまた、あなたを大切にしたいと思っていること。
本当に、優しくて、温かくて、力強い事実ですね。
この愛すべき事実を、あなたの言葉でいち早く伝えてくれて本当に本当にありがとう。
翔くんが結婚して、何が変わるのか考えた。
「結婚」によって、彼の何かが終わるわけではない。
むしろ、これは新たな始まり。
始まりには、いつだってワクワクしていたい、と私は思う。
翔くんが結婚しても、私は翔くんに憧れ続ける。
立つ場所は違えど、その背中を追い続ける。
“こんな風に生きたい”という想いは今も変わらないし、これからもずっと変わらない。
だから間違いなく、これからも翔くんを応援し続ける。
リリックを何度も書き直すように、より良い言葉を探すように、そしてそれを掴めるように。
あなたのように。
私は、これからも生きていくだけだ。翔くんや、嵐や、大好きな人や大好きなものの力を借りながら。
だから、結局何も変わらないのだと思う。
今はただ、心からの祝福を。
あなたの選択した道が、より一層輝くことを願って。