「その6人は“ヒーロー”か“ヴィラン”か。」
強烈な一文に、心を丸ごと持っていかれたような気分になった。
SixTONESの2nd Album「CITY」のリード曲、「Rosy」のMVが公開されたのは、金曜日の夜だった。
私はいつも通り、正座して22時を待っていた。
今回はどんな世界を魅せてくれるのだろうか、と若干意地の悪い見方をしてしまうくらいには、彼らはいつも「期待以上」をくれる。
やっぱり、今回も。
私は今まで、アイドルに良い音楽は求めていなかった。
ただそこにいて、笑っていてくれたら。つらい時、支えてくれているような気持ちにさせてくれたら。
そんな思いの方が遥かに大きくて。
だからこんなにも、良い音楽をアイドルに求める日が来るなんて思っていなかった。
こんなにも最高の音楽を届けてくれるアイドルに出会えるなんて思っていなかった。
SixTONESは、音楽を「作品」として、目で、耳で、心で、味わうことの幸福を教えてくれる。
SixTONESに出会ってから、私はどんどん我儘になっている。
疾走感あふれるメロディ。誰もが知るスーパーヒーローを彷彿させる歌詞。
それに加えて、ヒーローのようでヴィランのような、最高にかっこいい男たち。
言葉も出ないほど、魅せられた。
彼らにしか出せない世界観。ダークな微笑にゾクリとした。
3分にも満たないMVで、こんなにも、物語を感じさせてくれるのか。
彼らの表現力に、ただただ圧倒された。
夢中になれるものを見つけた時、人はきっと子どもにかえる。
目を輝かせて次々と世界を広げていく。子どもの両手にあるものは希望だ。
大人になるにつれて現実が見えてきて、自分はどうしようもない人間になったのだと感じる日が増える。両手で握りしめるのは虚しい想い。
ヒーローに憧れた子ども時代。
ヒーローになりたいと願った子ども時代。
大人になっていく日々は、ヒーローにはなれないのだと思い知るばかりだった。
ヴィランの気持ちの方がずっとわかる大人になってしまったなぁ。
そんなことを考えながらもがく日々の中で、それでも心はヒーローを、救いを、待っていた。
出会った6人は、“ヒーロー”か、“ヴィラン”か。
もう、そんなことはどうでもいいほど、私の今にはSixTONESが欠かせない。
彼らはヒーローだった。ヒーローのように見えた。でも、別にヴィランでも構わない。
信じる正しさを貫いてきた彼らを見ていると、そう思えた。
君がヒーローでもヴィランでも、私を救ってくれた事実は変わらない。
映画にするなら、私はきっと開始3分くらいで道端の小石に躓いたところを助けてもらった通行人。主人公の記憶には残らないモブ。
でも、助けてもらったことを忘れることはきっとない。
君がヒーローでもヴィランでも、物語は、まだまだこれから。
両手に感謝と希望を握りしめて、どこまでもついていこう。
今回も、最高の音楽をありがとう。